ところが、笑いとカラダにまつわる話として、笑い死にという言葉もあります。すなわち、笑うことが原因となって命を落とすというものです。その最初の事例は、古代ギリシャの記録に残されています。紀元前3世紀の古代ギリシャの哲学者クリッシュボスは、ロバに葡萄酒を与えた後、その酔ったロバがイチジクの実を食べようとしている様子を見て、笑い死にしてしまったと伝えられています。さらに、最近の報告で例をあげれば1975年、英国のミッチェル氏は、テレビ番組を見ていて、笑いすぎて(25分間)心不全で死亡しました。また、1989年、デンマークのベンチェン氏は、コメディー映画を見ていて、笑いすぎて心停止を起こしましたが、死亡前の心拍数は、250~500回/分だったとのことです。以上のことから、笑うことも、ほどほどにした方が良さそうです。自発的な笑いとは別に、中世のヨーロッパでは、強制的に笑わせることを拷問刑として用いていたようです。抵抗できないように手足を縛り、笑わせて窒息するまでくすぐるというものです。いわゆる強制的に笑い死にさせるというものです。
適度な笑いは、カラダにとって多大なメリットをもたらしてくれることは確かですが、笑いとカラダについて調べてみると、かなり奥深い歴史があることがわかります。