ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

森田豊医師の公式HP(http://morita.pro/)はこちらからご覧ください。
1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2016年5月14日土曜日

『今すぐ 「それ」をやめなさい!』、著書出版

 すばる舎から、著書、『今すぐ 「それ」をやめなさい!』が出版になりました。WHOの健康の定義、肉体的・精神的・社会的に満たされた状態を保つため---Dr.モリタのやめるだけで健康になる50のヒント。若い方々向けに「やってはいけない異性とのつき合い方」「ダメなお酒の飲み方」「イライラをやめる解消法」など、幅広い情報を紹介しています。
http://morita.pro/html/chosho.htm#8


 近年、社会全体の高齢化によってでしょうか、健康への志向が高まり、書店には多くの いわゆる「健康本」が並び、テレビやラジオでは医師ら医療関係者の出演が多くなってきました。と同時に、これだけやれば健康になる、これさえ食べれば病気になら ないといった単純で楽にできる健康法、もしくは極論にしばしば遭遇します。このような巷にあふれる「○○だけ健康法」は、簡単でわかりやすく、すぐに実践でき るため、たちまち評判になります。しかし、数年たつと(早いものは1年もたたずに)自然と消えていき、また別の健康法が 出現し、とって変わるということが繰り返されています。
 健康の大原則は、適切な睡眠、正しい食事、適度な運動です。そして、体調が悪かったら医療機関に早めにかかり、症状がなくても人間ドックやガン検診を受けることです。しかし、これらは誰もが知っていることで、あまりに当たり前すぎるため、本(書籍や雑誌の特集)にもならなければ、テレビやラジオで何度も放送されるようなこともありません。
 このような時代の背景のなかで、私はなにができるのか、発想を180度、変えてみました。世のなかには、単純で楽な健康法はないはずです。それよりも、 「健康のために“やってはいけない”こと」を徹底的に調べ上げ、それらの情報をつぶさに伝えること、そして、その一つひとつを 遵守していただいたら、正しく健康に導けるのではないかと思ったのです。そこで、医学情報のなかでも可能なかぎり最新で、医学的根拠に富むものを数年かけて集大成してみました。
 医学的根拠(エビデンス)には、レベル段階というものが存在しています。本書でいう 「これをやったら早死にする」という 50の習慣(行為)のなかには、それをしていない 数千人と、それを行った数千人とのあいだで有意な差があり、効果に確証が得られているものもあります。これが最もレベルの高い情報です。しかしながら、なかには一定水準の医学的論理展開が考えられるので、「これをやったら早死にすることは間違いないだろう」といったレベル段階の若干低めのものも含まれています。ただし、そういうものであっても本書執筆にあたっては、「医師100人に聞いたら 90人以上が賛成してくれる内容だろう」と考えられるものだけを厳選しています。
 そもそも健康とはどういうことを指すのでしょうか。世界保健機関(WHO)の「健康」 の定義は次のとおりです。
 「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」。すなわち、本来、健康とは「病気であるか否か」といったことだけではないのです。本書では、死期を早めかねない間違った習慣を取り上げつつ、精神的にも、社会的にも 満たされた状態を送れるようなアドバイスをしています。とくに若い方々に知ってもらいたいものとしては、「お酒の飲み方」 「男女の上手なつき合い方」 「運動の仕方」 「スマホの使い方」など、興味を持って読んでいただけるのではないかと思っています。
 本書を読むことで、あなたのこれからの長い人生の生活の質を向上し、長寿に導く一助となれば幸いです。