ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年3月24日木曜日

東京の水道水からの放射性物質のこと(ザ・ゴールデンアワー)

昨夜は、東京の水道水の放射性ヨウ素の測定値が、210ベクレルと高値を示し、大人の基準値である300ベクレルを下まわるものの、1才未満の乳児の基準値である100ベクレルを上回ったことについて、概説をしました。これは、すぐに健康を害する量ではなく、長期にわたり飲んだ場合の健康への影響を考慮して設定したものであること、1才未満の乳児には水道水を控えた方がいいが、代わりとなる飲料水がない場合には、水道水でも短期的には健康上問題ないこと、生活用水としては、全く支障がないことなどです。
 今夜はそれに引き続き、日本産科婦人科学会からの妊婦・授乳中女性に対する水道水の案内について、概説しました。
●日本産科婦人科学会からの案内(抜粋)を紹介しました。
(1)現時点では、妊婦・授乳女性が水道水を連日飲んでも、母体・赤ちゃんに健康障害は起こらないと推定される。しかし、胎児は被曝の影響をうけやすいので、水道水以外の飲み水を利用できる場合には、それらを飲むことを勧める。
(2)放射線物質の含む水道水を、妊娠期間中(最終月経開始日から分娩まで280日間)、毎日1リットル、仮に飲んだ場合の妊娠女性の総被曝量は、1.2ミリシーベルト
(3)お腹の赤ちゃんに悪影響がでるのは、赤ちゃんの被曝量が、50ミリシーベルト以上の場合
(4)母乳から出てくるヨウ素は、母体の摂取した量の4分の1程度と推定される
●このような具体的な数値をあげての説明は、一般の方々にわかりやすく、説得力のあるものであることを強調しました。
●また、番組では、震災によるメンタル面でのケアなどについても、大島希巳江先生と共にお話させていただきました。