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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年3月11日金曜日

スイッチOTC?


今朝のテレビ朝日、スーパーモーニングで、スイッチOTCについてコメントしました。
●スイッチOTCとは
これまでは医師の診察の後、医師の処方でしか使用できなかった医薬品を、薬局で買えるようにしたのがスイッチOTC薬です。「Over The Counter」の略で、街の薬局のカウンター越しに売られる薬のことを意味します。たとえば鎮痛剤である、ロキソニンSが現在、爆発的に売れているようです。
●スイッチOTCが広がるわけ
従来の大衆薬より効き目のある医薬品を薬局等で入手できるようになるというメリットがあります。医師不足の状態の病院で何時間も診察を待って、処方をしてもらわなければならないという時間的な手間も省けることに人気があります。さらに、スイッチOTCは、保険診療ではなく、自分のお金のみで薬を買うことになりますので、国にとっては、医療費の削減につながります。また、医師にかかって、初診料か再診料、処方箋料、薬代として、全費用の自己負担3割を支払う額よりは、OTCの価格の方が概して安い設定になっています。
●スイッチOTCを使う時の注意
従来の大衆薬よりも、効果が強い代わりに副作用はやや強いことは事実ですので、安全性を確保する為には、適正に使用(服用)してもらう必要があります。
また、服用しても症状の改善が認められない場合には、何らかの想定外の病気が隠されていることもありますので、病院に行かなければなりません