ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年10月7日金曜日

日本テレビ、スッキリ!!、RSウィルス感染症・マイコプラズマ肺炎

●本日のスッキリ!!にて、今年、激増しているRSウィルス感染症・マイコプラズマ肺炎について、下記の内容の一部をコメントしました。
本来、これらの感染症は、冬に多いのですが、今年は、すでに患者さんの数が激増しています。その背景は、
(1)気温の変化が激しく、身体の免疫力、抵抗力が低下している。
(2)また、これらのばい菌の特徴として、気温が下がり、湿度も下がることで、活発化していることもあげられます。
今後も、さらに寒くなると、患者さんが多くなることも考えられます。今年は、夏の猛暑に引き続いて、この時期になって、気温の変化が激しいので、体が気候の変化についていかず、体の抵抗力が衰えています。ですから、インフルエンザなどの感染症にも注意が必要です。
●RSウィルス感染症は、主に、乳幼児などの小さなお子さんがかかりやすいのが特徴です。
人から人へ、空気や唾液などに含まれているウィルスを介して飛沫感染や接触感染を
起こします。ウィルスが体に入って、4~5日の潜伏期ののち、鼻汁、咳(せき)、発熱などの症状が現れます。普通の風邪とも間違いやすいのですが、特徴として、かかった人の30%程度が、気管支炎まで起こしてしまい。激しい咳や、ゼイゼイする呼吸などの症状がでるのです。RSウィルス感染症に効果のある薬は存在しません。発熱に対しては身体を冷やす、解熱剤を使う。咳に対しては、咳止めや、気管支拡張薬などを、症状に応じた対症療法を行います。発熱のために、汗をかいて、脱水になることもあるので、水分補給も重要です。
●マイコプラズマ肺炎は、子供から大人までかかる肺炎の一つです。人から人へ、空気や唾液などに含まれているマイコプラズマという、ウィルスと細菌のちょうど中間ぐらいの大きさのばい菌を介して、うつります。肺炎と呼ばれていても、発熱、頭痛、倦怠感があまり強くなく、日常生活は普通に過ごせる場合が多いのです。特徴的な症状は、頑固な咳(痰の出ない乾いた咳)が、2週間以上、続き、時に、咳が激しいために、胸や背中の筋肉が痛くなることもあるのが特徴です。診断は、医療機関での、血液検査とレントゲン検査によります。もしも、マイコプラズマ肺炎だとすると、通常の抗生物質に効果はなく、少し特殊な抗生物質を使用しないと治りにくいので、早めに病院にいかれた方がよいです。