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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年9月26日月曜日

サマータイム終了に伴う睡眠の変化、FM TOKYO、クロノスにて

サマータイムが終わる時期です。睡眠に及ぼす影響、かくれ不眠などについて、今朝のFM東京、クロノスで下記の一部を説明しました。
●起床時間が後ろにずれることで注意すべきことは?
そもそも、サマータイムが導入されたときには、かなりの多くの方々に、睡眠不足が生じました。すなわち、出勤時刻が早まりましたが、結局、家で寝る時刻は変わらず、睡眠不足になったというわけです。そして、今回は、サマータイムが終了することによって、起きなければならない時刻が、1時間遅くなることになりますので、理論的には、朝に多少の時間の余裕はできることになりますが、しかし、実際には、目覚める時刻は、すぐに、遅くには変化しません。これは、体内時計が、サマータイムになれてしまっているからです。また、サマータイムが終わることで、仕事時間が1時間遅くなり、帰宅して、寝る時間が遅くなることが考えられます。その結果、睡眠不足になったり、職場での仕事時間が長く感じたりして、ストレスを受ける人も多いでしょう。
●危険なサインは?
睡眠不足のため、朝、なかなか起きることができない。寝付きが悪い。日中に眠たくなる。日中にイライラするなどの症状が、サマータイムによる後遺症として起こるかもしれません。
●『かくれ不眠』という言葉を聞きますが、これは何でしょう?
慢性的な不眠や、治療をするほどの不眠ではないにしても、睡眠に悩みや不満を持っている状況をいいます。布団に入っても寝付けない。朝に疲れが残っている、などの症状です。特に、サマータイム導入時、終了時に、起こりやすい不眠の一つです。
●より良き睡眠をとるには?
(1)日中に適度な運動をすること。
(2)寝る前に、ぬるめのお湯にゆっくりつかり、その後に、ひんやりした布団に入ることで,身体に温度差をつくってあげること。
(3)体内時計を変化させるには、朝に日の光を浴びること。
(4)お酒によって、睡眠の質が悪くなっていることもあるので、お酒を飲むことで、眠りが浅くなっていると考えられたら、しばらくは控え目にすること。