ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年11月7日月曜日

マイコプラズマ肺炎


愛子様のご入院の原因となったマイコプラズマ肺炎について、TBSテレビ、ひるおび!で下記の内容の一部をコメントしました。
●マイコプラズマという病原体は、細菌と、ウィルスの、ちょうど中間ぐらいの大きさの病原体です。通常の肺炎とはちょっと症状が異なる肺炎を起こす病原体として知られています。肺炎は通常、ご年配の方や、体が弱った方に起こりやすいのですが、マイコプラズマ肺炎は、小さなお子様や、小中学生にも、起こりやすい傾向がありまして元来、元気な方に起こることが多い肺炎です。頑固な咳、それも、痰の出ない乾いた咳が、通常2週間以上続くことが特徴で、咳のために、胸や背中の筋肉が痛くなることもあります。通常の肺炎と比べて、発熱、頭の痛み、だるさなどの全身の症状は、あまり強くないことが多いのです。
●市販の風邪薬や、医師が通常、処方する抗生物質では効果がなく、マクロライド系抗生物質というちょっと特殊な抗生物質が有効です。ですから、医療機関で、血液検査とレントゲン検査によって、的確に診断をうけることが大切です。全身症状が軽いために、医療機関を受診しないで、長期間の咳で悩んでいらっしゃる方の中には、この病気である可能性も高いのです。
●以前は、4年に一度、流行する傾向があることから、オリンピック熱とも呼ばれていましたが、最近は、この傾向が薄れつつありまして、毎年、流行しています。一年を通じて、患者さんはいらっしゃいますが、特に秋から冬に多いのが特徴です。今年は、7月以降患者さんが例年よりも増えてきまして、特に10月以降は、過去10年間で、最も多い患者数になっています。