ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年11月7日月曜日

ひるおび!、大塚範一さんの急性リンパ性白血病

めざましテレビの大塚範一さんが、急性リンパ性白血病で入院されました。本日のTBS、ひるおび!、冒頭コーナーでは、急性リンパ性白血病についてスタジオにて概説しました。
骨髄の中では、白血球、赤血球、血小板などの血液細胞が作られています。白血球の中には、リンパ球という成分がありますが、異常なリンパ球だけが増えてしまい、正常な血液細胞が減少してく病気が急性リンパ性白血病です。ちなみに、白血球の成分のうち、リンパ球ではく、好中球・好塩基球・抗酸球・単球などが増えるのが急性骨髄性白血病です。リンパ性と骨髄性の患者の比率は1対9で、リンパ性白血病は小児に多い病気ですが、大人でも生じます。
大塚さんは、たまたま、首のリンパ節の腫れで、血液検査により診断されましたが、症状がない状態で、血液検査で、白血球が多かったり、異常な形の白血球が検出されたりすることで、偶然診断されることも多い病気です。
このように、無症状で見つかることも多いのですが、症状が起こるとすれば、
●異常な白血球が増加→風邪などの感染症にかかりやすい、かかっても治りにくい
●赤血球が減少→たちくらみ、動悸などが生じる
●血小板が減少→鼻出血、歯肉出血、あざなどが生じやすい
などがあげられます。
残念ながら予防法などのない病気ですが、定期的な血液検査による早期発見が大切です。
抗がん剤での治療成績も向上してきましたので、寛解されることを祈願します。