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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年11月29日火曜日

肉食・大腸がん・寿命の関係

今日のTBSテレビ、ひるおび!、冒頭コーナーでは、昨日、国立がん研究センターから発表された肉食による大腸がんのリスクの増加等について、以下の内容の一部を解説しました。
●2011年11月28日に発表された国立がん研究センターからの研究結果によれば(約8万人を対象とした10年間の研究)、過剰な肉類の摂取により、大腸がんのリスクは、約1.4倍高まるとのことです。これは、世界的な研究結果(世界がん研究基金、米国がん研究協会)ともあてはまります。
過剰な肉類の摂取により、大腸がんのリスクは高まります。
●とはいえ、肉食が敬遠されることは健康にとってよくありません。人間の寿命という観点からは、肉食による動物性タンパク質の摂取が大切だからです。平均寿命の長い欧米諸国の動物性タンパク質の摂取比率は60%以上、平均寿命の短いアジア諸国の動物性タンパク質の摂取比率は20%程度(インドでは約10%で、平均寿命は約66歳。2011年のWHOの発表)です。
●日本人の動物性タンパク質の摂取比率は50%で、この値は、理想的なものであり、この値とともに、日本は、世界一の長寿国になりました。20世紀初頭の日本のように、動物性タンパク質を極端に欠いた和食は、逆に短命を招くのです。