ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年5月17日火曜日

ひるおび!、誤飲の対策について

本日のTBSテレビ、ひるおび!にて、ペットボトル入りの殺虫剤を誤って誤飲した事件をうけて、家庭での対策の基礎知識について概説しました。
喉の下には、食べものや飲み物が通る食道と、肺に空気を送る気道の二つの管があります。物が喉につまるという場合に大事なのは、気道を詰まらないようにすることです。気道にもし、物が詰まりそうな場合には、咳がでます。そのような場合には、物を吐かせることが必要です。
吐かせ方としては、背部叩打法といって、肩甲骨と肩甲骨の間を強く何度もたたき、その際に、詰まらせた人の胸か下あごを支えてうつむかせることが肝要です。

気道の確保ができた後は、誤飲したものが何であるかによって、時には、吐かせない方がいいこともあります。
たとえば、漂白剤、マニキュア、除光液、シンナー、トイレ用洗剤、画鋲などは、吐かせることで、かえって胃や食道などを、再び傷つける可能性があるので、吐かせないでそのまま医療機関に受診すべきです。
タバコ、薬、香水、化粧水、防虫剤、ボタン電池などは、吐かせてから、医療機関に受診させてください。