ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2016年5月14日土曜日

医師への「袖の下」問題、治療内容に差が出ることは皆無

女性セブンから取材依頼があり、正しく伝えたくて対応し、2016年5月26日号に掲載されました。私の主張は、「袖の下で治療内容に差が出ることは皆無」です。

以下記事の一部から、
TBS系『直撃!コロシアム!!』(4月11日放送)で、名医50人がぶっちゃけた本音が、ちょっとひどいのではないかと話題になっているというのだ。そこで、実際のところを番組に出演した医師に聞いてみた。“袖の下”とは、人目につかないよう袖の下から渡す贈り物のこと。患者が医師に便宜を図ってもらうためや、感謝の気持ちを伝えるために渡す。番組では医師50人に「患者から“袖の下”をもらったことがあるか」と質問し、50人中46人が「ある」と答えた。(中略)       
 しかし、「渡す必要はないし、治療内容に差が出ることは決してない」と断言するのは同番組出演者の森田豊氏。医師で医療ジャーナリストの森田氏は、『ドクターX』シリーズの医療監修をするなど、医療現場を取りまくさまざまな問題を私たちにわかりやすく伝えてくれる心強いドクターだ。「ちょっと病室に行く回数が増えるくらいの差はあるかもしれませんが、治療は変わりません。ほかの人より手厚い医療が受けられるはず…という患者さんの自己欲求を満たすだけです」
    一方で、私たちが袖の下を渡そうとしても、菓子折りやみかん1つさえ受け取らない病院もある。都内の総合病院に勤務する外科医が証言する。「国公立の病院の医師は公務員で、金品の受け取りは賄賂になるため、病院の規則で受け取りを一切禁止されています。一度でも金銭でゴタゴタを起こすと、すぐに業界内に知れわたって転職も難しくなってしまうので絶対受け取りません」
     そもそも、手術に失敗すれば医師としての名声を失いかねないし、手術が始まれば目の前の患者の命を救うために必死になるのが医師として大前提。それは謝礼の有無に左右されるものではない。