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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2012年1月23日月曜日

インフルエンザについて、TOKYO FM、クロノスにて

本朝のTOKYO FM、クロノスで、インフルエンザの流行・予防についてコメントしました。
 インフルエンザの患者さんが、1月に入ってから急に多くなってきました。一月の第一週にくらべて、第二週では、患者の数が二倍に増えていますので、まさしく流行に入ったと考えられます。気温が冷え込んできて、空気も乾燥したために、ウィルスが活発になり、人から人へ移りやすくなってきたからです(湿度が低下するとウィルスは空気中を漂いやすい)。今年のインフルエンザの多くがA香港型という従来からあるものです。従来、新型インフルエンザと呼んでいたものは、少ないのが現状ですし、また新型インフルエンザとして分類しなくなりました。他のインフルエンザと症状や治療法が変わらないためです。
 インフルエンザ予防の原則は、まず、第一に、ウィルスを体に入れないこと、第二に、体の抵抗力をつけること、そして、第三に、ワクチンを打っておくことです。
 第一の、ウィルスを体に入れないようにすることですが、人混みでマスクをつけたり、こまめにうがいをしたり、手洗いを行うことです。昭和大学からの報告では、うがいをする際には、紅茶、緑茶、ウーロン茶などですると、効果があるとのことです。お茶に入っているカテキンという成分がウィルスをやっつけてくれるのです。現在、湿度が非常に低く乾燥していますので、ウィルスが空気の中を漂いやすいため、部屋の加湿などにも注意していただきたいと思います。
 第二の、体の抵抗力をつけることですが、これは、十分な睡眠をとり、バランス良い食事をとることです。同じ量のウィルスが入ってきても、体の抵抗力によって、病気になるかどうかが異なります。規則正しい生活はとても大切です。
 そして、第三番目のワクチンですが、今からでもインフルエンザワクチンを打つことをお勧めします。打った方の約70%に、免疫がつき、インフルエンザにかかりにくくなる効果が望めます。ワクチンをうってから、効果がでるまでに2週間かかります。