ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年12月15日木曜日

ひるおび!、空気の乾燥と病気、無自覚脱水症?

本日のTBSテレビ、ひるおび!では、下記の内容の一部を解説しました。
●(無自覚脱水症なるもの)冬場はあまり汗をかかないので、のどが渇いたという実感がなく、水分補給の量や、頻度が少なくなる傾向にあります。さらに、空気が乾燥していたり、暖房による湿度の低下もあいまって皮膚表面から失われる水分量も増えてしまい、脱水がおこるのです。脱水が生じるのは夏だけではないのです。
●(冬の脳梗塞)脳梗塞の一番多いのは、12月~1月にかけての冬です。その原因としては、気温の低下による血圧の変化、湿度の低下による乾燥と脱水による血液濃縮、運動不足による血栓の形成などが考えられています。室内の気温差を少なくしたり(特に、トイレやお風呂場など)、脱水を防ぐために、水分を十分にとること(特に寝る前や、おきた時の水分補給)が大切です。
●(ドライアイ)空気の乾燥によって、目に痛みを感じたり、異物感があったりするほか、目が疲れやすくなったします。症状が進むと目の表面が傷つき、視力の低下を起こすこともあります。ですから、室内の加湿に注意することや、ドライアイの症状があったら、目薬などを使用することです。
●(乾燥肌)乾燥によって、皮膚を守る皮脂が少なくなり、痒みが生じます。普段から、保湿クリームなどを使用して、乾燥肌に対応することが重要です。
●(マイコプラズマ)今年は、秋ごろからマイコプラズマ肺炎の患者さんの数が例年の2倍以上になっています。激しい寒暖差が原因と考えられますが、特に最近は、空気が乾燥して、気温も低下して、人から人に移りやすくなっているのです。これまでマイコプラズマに使われてきた抗生物質(マクロライド系)が効かない耐性タイプのマイコプラズマ肺炎は、2006年には30%ぐらいでしたが、今年は90%もいると報告されています。医療機関では、このような薬物耐性に対しては、別の抗生物質(テトラサイクリン系)を使用して対応しています。