ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2016年1月10日日曜日

そこまで言って委員会NP、性病大国

本日、そこまで言って委員会NP(旧番組から通算8回目)のスタジオ出演です。
今回は、2016年の大予言と称し、日本の性行為感染症がとんでもないことになってしまうと解説しました。梅毒患者はこの5年で3倍(女性では5倍以上)、HIV感染者は大阪府で毎年300人以上激増、淋菌・クラミジア感染症も若年化が問題となっています。スーパースプレッダーは、時代を問わず、国を問わずおりますので、主な原因は、日本人の性行為感染症に対する知識の無さ!だと思います。性器から性器への感染ルートを断つためのコンドームの使用はもちろんですが、性行為の多様化により、性器→口→性器への感染も多くなっています。また、梅毒や性器ヘルペスの病変はコンドームをつけたところ以外にもできますので、症状がある際の密な接触は厳禁です。海外の風俗産業に従事する人に比べて、日本人がいかに知識が少ないかなどを検証します。
性教育を若年化し、詳細化することには賛否両論があります。しかし、中学生の3~5%、高校生の15~30%で性行為の経験があるという結果や、性行為の経験のある高校生女子の7人に1人がクラミジア感染症に罹患しているなどの統計から、私は、性教育の徹底を推奨します。フィンランドでは15歳の時に学校でコンドームを配り、その他の北欧諸国でも徹底した早期からの性教育により、性行為感染症罹患率減少を導き、なおかつ性行為開始年齢の若年化はおきていないとのことです。
いずれにせよ、性行為感染症は、早期に発見すれば、早期に治療ができ、かつては不治の病といわれていたHIVも新薬の登場により質の高い生活を送れるようになってきました。
危ないと思ったら、愛するパートナーのために検査をうけることが、思いやりです。