ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2012年12月25日火曜日

ノロウィルスの猛威

TBSテレビ(みのもんたの朝ズバッ!、ひるおび!)、テレビ朝日(モーニングバード)、フジテレビ(とくダネ!)などにて、この冬、大流行しているノロウィルス感染症について解説を行いました。2006年にも大流行がおきましたが、その時のウィルスが変異したものが全体の6割もしめているようです。さらに拡大することが懸念されます。原因である食品が特定できる場合は3割しかなく、多くは、嘔吐物や便からの二次感染が考えられます。乾燥した嘔吐物が空気中を漂って集団感染が起きています。この時期、嘔吐物、下痢の便の処理には十分に気をつけ、塩素系漂白剤を薄めたものでの適切な対処が重要です。通常は、2,3日で自然治癒しますが、下痢止めなどは使用しない、脱水に気をつけ水分塩分の補給がポイントでしょう。また、ノロウィルス感染症に関わる死亡例は、喉に嘔吐物が詰まってしまったための窒息、誤嚥性肺炎、脱水などです。適切な処置をすることで、1人でも多くの人が救われるようにと祈願します。