ようこそ医療ジャーナリスト・医学博士、森田豊の公式ブログへ。

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1963年東京都生まれ。88年秋田大学医学部卒業。95年東京大学大学院医学系研究科卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学医学部専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。現在は、現役医師、医療ジャーナリストとして、テレビ、雑誌等のメディアで活動中。さまざまな病気の概説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

2011年2月10日木曜日

奇跡体験!アンビリバボー

今夜、フジテレビ、奇跡体験!アンビリバボーに出演しました。脳死というナイーブなテーマです。アメリカで実際にあったことです。脳死と診断されたザックさんが、臓器摘出を待っている間に、意識を取り戻して、元気になっていくという、医学的には全く説明、解明できない謎の出来事でした。脳死の判定基準は国によって異なり、特にアメリカでは州によっても、カナダでは病院によっても異なっています。アメリカでは、このザックさんの出来事があってから、2008年、州ごとにばらつきがあった脳死判定基準の改定案が議論され、2010年に改定されることになりました。日本の脳死の判定基準は、どの国よりも厳しいと思います。ザックのことは、医学的には奇跡とはいえ、日本では、そのような奇跡が起こる可能性はありません。今回の出来事は、脳の世界には未知な部分はあるがアメリカでおこったことであると捉えていただき、日本の脳死判定や臓器移植に対して不安にならないでほしいと願う次第です。ただし、脳死を死として認めるかは、個人の死生観によるもので、まだ、これからも十分な論議は必要です。番組では、死生観に関する個人の違いなども触れることができました。